【千葉】スペース海:不登校の子ども、障がいのある子どもの学びの場

スペース海は、千葉県千葉市の蘇我と西千葉にある「不登校の子ども、障がいのある子どもの学びの場」です。お子さまの障害や状況に合わせた個別の学習指導や、発達障害のお子さまを持つ保護者向けに、ペアレント・トレーニングやコモンセンス・ペアレンティングなどの講座も開催しています。

今回は、西千葉校におじゃまして、西千葉校責任者の関桂子さんにお話を伺ってきました。
スペース海では現在、蘇我校で30名程度、西千葉校で20名程度のお子さまに対して個別の学習指導を提供しています。もともと、理事長である新田恒夫さんが不登校の子どもたちの居場所作りのために1991年に蘇我でスタートしました。不登校のお子さんの中には、発達障害によって学校生活に馴染めないお子さんがいることに気づき、前述の通り、不登校だけでなく障害のあるお子さんの学習支援を主に、保護者の支援にも力を入れているそうです。

学習支援は、個々の状況に合わせて進めています。学校の進度に合わせた教科書やテキストを使う場合もあれば、障害の特性に合わせた関さん自作の教材を使って、勉強ができるように工夫したものを使っています(写真参照)。学校では自分に合わない方法で苦手だったことも、その子にあったやり方をすることで「乾いたスポンジが水を吸収する」ように学ぶことができるのだそうです。

自作の教材
虫が大好きな小学1年生のお子さん向けに作った教材。
計算は苦手だが、数える対象を虫に変えただけで出来るように。

関さんは、自身の子育ての際に、「助けて」と思うことがあっても今と異なりインターネットもなく、どこに助けを求めればいいのか悩んだ経験があるそうです。親の元気が子どもの元気につながるという思いから、子育てや発達障害の子どものと関わり方を親自身が向き合うことで、子育てが楽になり好循環を作っていけるよう伝えていきたいとのこと。スペース海では、支援をするお母さんたちの悩みを聞く中で、母子関係に集約されがちな子育てに疑問を感じ、父親も障害の特性を知り、子育ての方法を学ぶ機会が必要と「おやじのための学習会」を立ち上げ、勉強会を開催しているそうです。子育ては周囲の協力があって成立するもので、とりわけ異なった対応でパニックを起こしやすい発達障害の子どもの支援では父親のサポートも大切な取り組みです。

2016年に入って、カルチャースペースを作る構想を練り始めたばかり。習い事にチャレンジしたくても、集団での行動に心配があると通うことを断られるケースもあり、習い事をためらう保護者もいるとのことで、カルチャースペースを利用して、自分にあった方法で、得意なことを伸ばす環境を子どもたちに提供できたら素敵なことだと思います。

関さんとお話しする中で、私自身が以前から疑問に思ってた「みんなで一斉に同じことをする」ことや「努力や根性で何か辛いことを乗り越えた人がエラい」という考えが根強い日本の教育のあり方が、発達障害のお子さんにとっては、とても厳しいものだということを改めて考えさせられました。関さんは「『目の見えない人に、目が見えるように努力しろ』とは言わないが、発達障害の人は同じこと(本人の特性で出来ないことを努力で出来るようにしろ)を言われている」とおっしゃっていました。「『苦労して頑張ったことを褒めるのではなく、当たり前にできることを褒めて』と保護者の方にも伝えている」とのことです。当たり前にできることって、実はその人の才能なのではないかな。

他にもソーシャルスキルトレーニング、シングル・ペアレントの支援、障害を持つ兄弟児のサポート、遠隔地に住む方への動画配信などなど、これからやっていきたいことはたくさんあると語る関さん。現在は、千葉県の蘇我、西千葉教室のみですが、HPには、不登校や発達障害との関わり方についての情報も載っていますので、気になる事がある方は覗いてみてくださいね。学習支援を入り口に不登校や発達障害に関する包括的な支援をする場として、スペース海のような場所が広がればと思います。

(川原さえこ)

【参考】
*ペアレント・トレーニングとは:
子どもの行動の背景を理解して、親が適切な対応や接し方をトレーニングする方法。
上林靖子『発達障害の育て方がわかる!ペアレントトレーニング』講談社,2009.

*コモンセンス・ペアレンティングとは:
もともとはアメリカで開発された「被虐待児の保護者支援」のペアレント・トレーニングのプログラム。子どもの問題行動を予防し、親子が良好な関係を築くスキルを学ぶ。

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