マトカトリ主催:フィンランドセミナー「フィンランドの子育てと教育」参加レポート

2016年1月30日(土)に、フィンランドの観光情報を提供するマトカトリさん主催のフィンランドセミナーに参加してきました。私が参加したのは、シリーズセミナーの第2回でテーマは、「フィンランドの子育てと教育」。皆さんも、フィンランドの子育てが良いらしいとか学力が高いという話はニュースなどで聞いたことがあるかもしれませんね。実際のところ、どうなんでしょう?ということで、フィンランドの教育学を踏まえたお話をフィンランド人の講師に教わっていきました。

結論:フィンランドでは、「サポート」と「チャレンジ」から生まれる自立を促し、「子ども中心」の子育てや、知識そのものを学ぶより主体的に学ぶ教育が目指されている!といえます。

以下はセミナーのまとめ。
その1.教育論
1.フィンランドの教育は、世界中の教育に関する最新の研究結果をもとに「何が子どものために一番良いか」を常に考え、実践している(今はAの方法がよくても、Bという方法が良いと研究結果が出れば、Bを現場で試してみる)。
2.教育に当たる教師は、大学院以上で教育を深く長く勉強をしてきたプロのレベル。新しい情報を理解して(セミナー受講や大学の短期コースで学び直すなど)、子どもたちへ与える。
3.政府も社会も皆によってより良い教育となるよう新しい知識に合わせて変えるという教育制度を取っている。学者だけでなく個々人も新しい知識を学んで良い教育を取り入れる姿勢を持っている。

その2.子育て
1.ネウボラというシステム:全体的育児サポート制度で、各地域や町々にあリ、妊娠から学校へ入るまでの間、通うことができる。心や体について、子どもに対しても親に対してもサポートする。医師や看護師など、精神的な部分も含めて、専門家のアドバイスを得られる。町によっては勉強会やイベントなどネウボラで学ぶコースもある。
2.理想の共通認識:教育者や親たちは、何が子どもに取って一番良いか、何を目指すのかの理想が共通している。雑誌、本、インターネットなど教育に関する多様な情報があるが、いろいろな家庭やいろいろな子育て、いろいろな学校を紹介し、「幸せ、子どもへの根本のサポート(その3で説明)があれば完璧でなくてもOK」というメッセージが多い。
3.子どもへの根本のサポート:子どもに何が必要と考えられているか?
子どもを中心とした教育(子どもの意見や選択、子どもの権利を中心とした法整備が整えられている)
・子どもの権利
・子どものニーズに応えるのが大人の責任
・子どもの経験や感情に共感する
・子どもの話を真剣に聞く
子どもに必要なのは、
・安全と安心
・認められる・受け入れられること=無条件の愛
・コニュニケーション(真剣に耳をかたむけやりとりを大切にする)
子どものニーズに応えるとき、「サポート(落ち込んだときのサポート、失敗の乗り越えかた)」と「チャレンジ(結果よりプロセス、チャレンジさせる、ポテンシャルを無視しない)」のバランスを取ることが大事と言われている。

その3.学習理論
1950-60年代までは「行動主義」と呼ばれ、受動的に情報を受け取る、与えられた「正しい」情報をどれだけ覚えたかテストで図る学習理論が取られていた。1960−70年代は「認知主義」が主流になり、自ら積極的に知識を製作し、理解する、「相対的な」情報を自分の中で組み立て、エッセイで論じる学習理論へと変わった。

その4.教育制度
1.全て公立で無料。塾がない。
2.幼児教育〜中学が義務教育
3.高校、大学、大学院、または専門学校、専門大学・専門大学院という進路がある。
幼児教育:物理的・精神的に安心とチャレンジを与える環境。全体的成長の支援をする。
小中学校:生活で必要なスキルや情報との向き合い方を学ぶ。
高校:自ら考える力を培い、自ら知識を製作していき、批判的思考を身につける。
専門学校や専門大学・大学院:専門的知識を身につけ職業に結びつける。
大学・大学院・博士:アカデミックな思考や研究のプロに育ち、専門を仕事で活かすのが理想とされている。
4.成人教育:いつも学ぶ可能性がある。キャリアチェンジが標準。短期コースや大学で専門を学びなおす。

【感想】
日本だと特に子育て中は「あれがいい」「これがいい」という表面的な情報に惑わされてしまいがちです。また、教育制度の中で「社会(集団)に適応する」ことばかりを押しつけがちな事に私はいつも疑問を持ってきました。子どものニーズではなく、大人の都合で子どもをコントロールしていないかを考え直すとともに、フィンランドのように土台の部分で「子どもの権利」を大切にすること、何が子どもにとって必要なのか、「子どものニーズ」を大切にすることが広まればいいと思いました。それに、多くの日本のパパやママたちや教育者たちは、フィンランドで理想とされている、子どもの声に真剣に耳を傾けて無条件の愛を与えることを日々頑張っていますよね。完璧じゃなくても「子どもと向き合って、大切にしていることをこれからもやっていけばいいんだよ」と自信を持っていいのだと思います。

新しい研究成果をもとに教育制度を変えることが共通認識としてあるフィンランドを考えると、古い考えの教育制度をなかなか変えることができない日本の事情は残念ですが、だから日本はダメ、フィンランドは素晴らしい、と理想郷に仕立て上げるのではなく、今できること、今良いと思えるものを取り入れ、個々の生活で変えていけたらいいと思いました。

フィンランドのお茶菓子をいただきながら周りの参加者と対話しながら進むセミナー。子どもたちにとってより良い教育環境について意見交換できる嬉しいセミナー参加となりました。

 

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